第2回 World Union of Wound Healing Societies'
Meetingに参加して
札幌医科大学 皮膚科 小野一郎
No.1

 本年の7月8日から13日までフランスのParisで開催されました第2回World Union of Wound Healing Societies' Meetingに参加して参りましたので会員の皆様にご報告させて頂きます。この学会は既にご存じのように4年前に第1回目がDr. Michael Stacey の主催でオーストラリアのメルボルンで開催されたのですが、その時点では従来のアメリカ合衆国のWound Healing Society (WHS)やヨーロッパのEuropean Tissue Repair Society (ETRS)、さらには私達の日本創傷治癒学会とは全く無関係に独立した形で開催されておりました。そのため実質的には最初の国際的な創傷治癒の分野の治療ならびに基礎研究の学会として大変に期待されていた学会です。ちなみに今回の学会の会長はフランスのProf. Luc TeotでEuropean Pressure Ulcer Advisory Panel(EPUAP)、ETRS、WHS、European Wound Management Association(EWMA)、 Societe Francaise et Francophone des Plaies et Cicatrisations (SFFPC)の共催の下に開催されました。なお、本学会の北島理事長もScientific Commitee members from participating societiesの一員としてプログラムに明記されておりました。 
 学会の会場はパリの凱旋門から徒歩10分程度のPorte Maillotに位置するPalaid des Congres(写真1)で6日間の朝から夕方までのほとんどすべてを費やして多いときは12会場で同時に発表が進行するという盛大な会でした。私は仕事の都合もあり7月7日の昼に札幌を発ち、同日の深夜に成田からParisへ向けて出発しました。実際には学会の受付も8日の7時過ぎから開始され、会議が8時から開始されましたので当日の未明にParisに到着して13日の深夜にParisを発った私は幸い長い期間の学会の全てに参加することができました。


写真1
第2回 World Union of Wound Healing Societies' Meetingの会場となったPalaid des Congres

 その様な事情でParisに8日の未明に到着し、直ちにホテルに checkin し、若干の休憩の後に朝食をとって、勇んで(?)会場のPalaid des Congresに同行させて頂きました東邦大学病理の赤坂先生と向かいました。ところが受付の場所が分かりません…。何度か会場で警備に当たっている人たちに聞いてどうにか3階の受付にたどり着くまで会場に入りましてからおよそ15分以上かかってしまいました。会期の最初であったこともあったのでしょうが、会場の案内も不十分でこの時点から学会の運営に少し不安がよぎり始めました。しかし、どうにか7時過ぎに受付にたどりついた私たちは大変に幸運でした。私たちは事前登録してあったこともあり15分ほどで手続きが終了、コングレスバックを受け取って8時からの学会開始には20〜30分ほどの余裕を持って会場へと向かうことができたのですが、事前登録の受け付けは3箇所、当日登録も2箇所の受付で進みましたのでいずれも直ぐに長蛇の列という状態となってしまいました。特に当日受付の方は深刻で学会の初日は3時間並んでやっと登録でき、朝から並んで学会に参加できたのは午後のセッションからという本当に笑えない大混乱で学会の幕が開きました。ちなみに長蛇の列が消えたのは学会の3日目の午後でした。特に学会前半の発表の先生達は深刻で、computer での発表のpreview roomの部屋も大変に分かり難くい上に案内も小さく出されているのみで、時差に加えて大変なストレスであったと推察致します。本当にお疲れ様でした。当然、この点に関しては参加者の不満も多く、やはり前日の午後から受付が可能で学会の開始時には大半の参加者が登録を終了できるような会期設定とするべきであったと感じます。特に後から参加者が(学会の公称で)5500人に対してcomputer2台で初日から学会と平行して当日受付を進めるというのは大変に無謀な話であると感じました。話が前後しますが奇妙なことにopening ceremonyは学会初日の夕方からでした。このopening ceremonyには本学会の事務局を担当して頂いております慶應義塾大学外科の大谷先生、東邦大学病理の赤坂先生、慶應義塾大学形成外科の貴志先生をはじめとして多くの日本からの参加者が集っていらっしゃいました。しかし、会場にはおよそ400人ほどが集っただけで公称5500人の参加の学会の割には寂しい感じがしました。会は先に述べたヨーロッパ、フランスを中心とするサポートしている学会から代表するメンバーがPresidentのTeot先生の開会の挨拶に続いて次から次へと挨拶するという異例で、かつこの会の成り立ちを象徴するような内容でとりたてて感動的なことはありませんでした。ただ、会の最後にPresidentのTeot先生がヨーロッパにおける創傷治療の歴史を概観された講演をされました。中世や近代の創傷治療の歴史を短い時間で知ることができて大変に興味深かったのですが、日本や中国のようなアジア、その他の地域の歴史がほとんど触れられていなかった点に不満が残ったのは私だけだったでしょうか? (写真2,3)。


写真2 Opening ceremony


写真3
Opening ceremonyの会場で、日本からの参加者: 左から大谷先生、赤坂先生、筆者。

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