第2回 World Union of Wound Healing Societies'
Meetingに参加して
札幌医科大学 皮膚科 小野一郎
No.2

 このようにどうにか学会初日も無事終了したのですが参加者の多さが目立ったのは受付ばかりで、mainの大ホールで学会の最初を飾ったFerguson先生とGabbiani先生のscarringのPlenary sessionの参加者が30人程度であったのは大変に残念でした(この会場はおそらく3500人以上収容可能です。)。全期間を通して本学会は医師と看護師をはじめとするco-medicalに加え、基礎研究者が集う文字通り創傷治療の全てを横断的にcoverする内容でした。学会では先に述べましたように12に及ぶ会場で連日進められ、12のPlenary session、60のSymposium、96のWorkshop、10のControversies、3つのFundamentals、6の教育courseに加え、100演題に近いoral presentation、200前後のposterという盛りだくさんの成果が次から次へと発表されていきました。中でも本学会に関連が多い基礎研究の分野でも数多くの興味深い演題が発表されていました。特にgrowth factor、stem cell、遺伝子治療、細胞治療のような最先端の研究成果に関しても日本、米国、ヨーロッパに加えて中国や韓国からも大変に高度な演題が発表されていました。ただ、やはり学会の性格を反映して基礎研究の発表会場は小さい部屋が割り当てられる傾向が強く、また、会場が分かりにくい場所に割り当てられていたりで参加者が必ずしも多くなかったのは少しもったいない感じがしました。また、学会の運営と連絡の不備のためか欠演も目立ったのにはがっかりさせられました。私も会の後半は可能な限りoral presentationのsessionに顔を出すようにつとめたのですがこの様な場に必ず欧米の大御所の先生の何人かが最初から最後まで出席し、若い研究者に向かって質問やcommentを発言し続けていたのが大変に印象的でした。このような努力が若い研究者の研究意欲を持続させ、良い意味で発表の場に緊張感を持たせていることを実感しました。本学会の会員の発表も当然のことながら高度で聴衆の注目を集める物ばかりでした。中でも慶應義塾大学の貴志先生、川崎医科大学の篠山先生のような若い世代の先生達の発表内容が大変に高度であるばかりでなく、ご発表、質疑応答も大変に見事で同じ学会の会員として大変に誇らしく感じますとともに、先生達の日頃の努力が見事に開花してきているとの印象を強く受けました。話は飛びまず学会の会期中に開催されたWRRのEditorial meetingでも昨年の日本からの同誌への投稿数が15題で米国、UKに次いで3番目(UKは16題でしたのでほぼ同数2位)とのことでした。今後もさらに本学会から若い研究者が国際学会で発表、投稿して頂けるように本学会が今までにも増してencourageすることが重要であるし、またその努力が確実に報われているとも感じました(写真4)。


写真4 発表を終えて-会場の一隅で。
左から貴志先生、大谷先生、秋田先生、赤坂先生、筆者。

 一方、看護のsessionは参加者が多い看護師のmemberに会場が埋められているという状態でした。このように参加者がフランスを中心としたヨーロッパのco-medicalが多いこともあり、発表言語は英語とフランス語の同時通訳で進められました。ただはじめは英語のみで発表が進む物と勘違いをしておりましたので、突然フランス語で発表が始まるとびっくりしてしまいました。ただ、同時通訳の方々の通訳は見事で発表に少しの遅れで絶妙に通訳しているのには大変感心しました。そのような事情で発表内容の理解自体には余り問題が無かったのですがdiscussionがうまくかみ合わない場面もあり、フランスの国の事情もあるのでしょうか、できれば英語のみでの発表でと感じたりもしました。なお、今回の発表は全てcomputer presentationで進められましたが特筆されるべきは全ての演題のdataがWindowsサーバーに納められており、どこの会場からでも自分の演題を直ちに発表できるシステムを導入していたことです。演題発表が全てcomputer presentationであることの事前通知やmacの演題dataが収納できない等の不便さはあったものの、私の知る限りこのようなシステムでのこのような大きな学会の運営は初めての経験でした。また、私の参加した会場で見る限り一度もトラブルが無く、大変に順調に講演が進められていたのには感心しました。特にpreview roomで受付に当たっていた方々の笑顔での対応、さらに技術的なサポートをしていた人々の技術の確かさは本学会のいろいろなマイナスの印象をプラスの方向に埋めるのに十分な物でした。私自身も自分の発表のdataの圧縮や修正などでは大変にお世話になり、無事発表を終えることができ、感謝しています(写真5, 6)。


写真5 Preview roomの様子。
発表用のdataをこちらからWindowsサーバーにupload できる。


写真6
発表用のdataをサーバーにuploadするのをサポートしてくれた学会のstaff。

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