“Wound Repair and Regeneration”誌 編集会議報告

長崎大学 秋田 定伯

 Wound Repair and Regeneration 誌(以下、WRR誌)の2006年Editorial Board Meetingがアリゾナ州スコッツデールのDoubletree Paradise Valley ホテルにて、第16回創傷治癒学会期間中の2006年5月16日に開催されました。
 通例通り、WRR誌編集長のDr.Lindbladの2005年〜2006年までの編集活動報告から始まり、以下の各項目に付き検討されました。

「ハイライト」

  1. 2005年1月〜12月まで論文投稿数の増加がみられ、2004年の169編と比較して、197編の投稿があり、16.6%の増加でした。2000年の68編と比較して、2005年は290%の増加でした。アメリカ合衆国は依然として国別最大投稿国ですが、日本は17編と第2位であり、以下、トルコ(16編)、ドイツ(14編)、英国(12編)、オーストラリア(11編)と続きます。
  2. 2005年の掲載決定までの日数は、平均136.5日でありました。但し、2006年の前半4月半では、34.7日と大幅に改善されました。
  3. 2006年第1号から雑誌表紙と論文掲載形態が一新・変更されました。これ等変更によって、定期刊行が推進され、同一ページ数でも、より多くの論文掲載が可能となり、結果として雑誌情報量が増加しました。
  4. 雑誌の発行は定期刊行が実施されており、全6号のうち2号は、bimonthlyの前半月に発行されました。723ページの雑誌のオンライン刊行は大部分の発行号においてインターネット上で印刷雑誌より先に刊行できました。
  5. 増刊号を第4号刊行しました。
  6. 2005年のオンライン上のアクセス数は82,150件であり、2004年の69,424から増加しました。
  7. ISI社のインパクト・ファクターは2004年発行で、1.984でありました。
  8. 投稿論文/雑誌のプロセスに変更があり、特に極東アジア地区における編集・文法構成と印刷の同時進行を実施しました。装丁と内容構成が増加したものの、新しい刊行編集者のRyan Sheehanにより、効率よく処理されました。

「インパクト・ファクター」として
 2004年と比較して、2005年のインパクト・ファクターはやや低下したものの、生物医学雑誌の中では健闘している状況です。ISI社から2002年最初のインパクト・ファクターは2.505でありましたが、2003年には、1.757にまで低下しました。それでもこの領域では健闘したインパクト・ファクターでありましたが、更に2004年には再び2を越え、2.074となり2005年には、 1.984となりました。変化の大部分の要因は一掲載論文あたりの引用回数の増加と、雑誌一号当たりの掲載論文数の増加も関連しています。インパクト・ファクターを上昇したければ、採択率を下げ、review論文を増加させる方向になると思われます。

「編集内容の管理」

  1. 上記記載の如く、2005年は169編から197編、16.6%の投稿数の増加を認めました。2002年から継続して順調に増加しています。        過去10年間の投稿論文の国別分布統計では、以前と同様にアメリカ合衆国が2005年の最大国であり、2桁の投稿数のあった国は、アメリカ合衆国(52編)、日本(17編)、トルコ(16編)、ドイツ(14編)、英国(12編)、オーストラリア(11編)でした。アメリカ合衆国からの投稿は投稿論文数全体の26%に達し、2000年の66%と比較して低下しました。投稿数の減少というよりは、アメリカ合衆国以外の国の投稿により国際的になったことの証拠であろうと思われました。生物医学雑誌の中ではその傾向はどこも同様であるようです。
  2. 2005年の非採択率は2006年も同様の傾向で上昇傾向です。2006年のこれまでの非採択率は70%に到達しそうな状況です。目標非採択率よりも高い非採択率ですが、2005年の掲載受領論文はページ予算を624ページから672ページに増加させたにもかかわらず、既に1〜2号刊行分の論文で埋まってしまっています。研究設定デザイン・対象数に関しての不満から臨床論文は全て臨床家によって査読されるべき事が強調されました。論文非採択率に関して、論文の質の評価には、研究資金提供が重要ですが、アメリカ合衆国のNIH、他国の医学研究評議会からの資金提供を受けた論文は結果として、研究デザインも良く科学的な重要性も高いので、著者らには謝辞の中にこの事実を含めるよう、“Manuscript Final Submission Checklist”で掲載決定の文書と共に送っています。残念ながら、研究論文のうち、この資金提供源を記載した論文数は減少傾向にあります。2004年の24編から2005年は15編しかNIHから資金提供を受けておりませんし、他のアメリカ合衆国の連邦政府レヴェルでの資金提供源は2編のみになり、そのほかのアメリカ合衆国での資金提供のある論文は4編となっています。同様に、アメリカ合衆国以外でも2004年には23編あった資金提供源の記載した論文は、2005年には19編に減少しています。
     (参考資料)
     NIHグラントを記載している論文数    15編(全体の23.1%)
     NIH以外の資金提供源を記載した論文数  23編 
     資金提供元を記載した論文割合       58.5%
  3. 投稿論文数の増加の取り扱いは論文査読過程の迅速化にも関わらず問題となってきています。昨年の編集会議でも記載したように、論文受領から掲載決定までの時間が2003年末から非常に長くなってきています。2004年からは投稿論文数の増加にも関わらず、事務的な人手不足に見舞われています。
    受領から掲載決定までの改善は2005年には期待通りには実現できませんでしたが、2006年4半期には非常に改善傾向にあります。
    事務管理編集長は具体的には2005年の第4半期から人材を捜しておりますが実現しておらず、事務手続きの改善は見られていません。2005年と2006年の論文掲載までの過程は、2006年に改善傾向にありますが、2004年以前にはこの様な基礎データすらありませんでした。
  4. 投稿論文数の持続的な増加は2005年の印刷予算を超過してしまいました。元来の予算ページ数は624ページでしたが、723ページ印刷しました。また、2004年には印刷文字数も上昇しております。2006年には、予算ページ数は672ページに増加させ、論文数の上昇に対応可能としました。2006年はETRSと日本創傷治癒学会が無料で抄録を掲載する最後の年度です。これまでこの2つの学会の抄録を50ページまで無料で掲載してきましたが、論文非採択率の上昇、テキスト文字を小さくするなどして、2006年には予算ページ内の論文掲載に努めます。
    〈更なる提案〉
    文字情報からオンライン情報への移行による情報の保管。これまでは大容量の表・付録にしか用いておりませんでしたが、今後中等度の文書・図・表にも考慮していきます。雑誌のオリジナルホームページは保管機能強化に供する予定です。
  5. 2005年に第3番の増刊号(第4号)がスミス・アンド・ネフュー社の協力で刊行されました。第4の増刊号は、2006年3号に合わせて刊行する予定です。第4号増刊号の内容は瘢痕と肥厚性瘢痕に関するものですが、刊行資金提供が得られず、著者のDr. David Greenhalgh自身が刊行資金源を探索中です。

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