| スポーツ医学分野における治癒促進への挑戦 ―酸素を用いて― |
コロンビア大学整形外科基礎研究室 石井 良昌 |
No.1 |
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私が筑波大学体育科学系スポーツ医学研究室において宮永豊教授と高気圧酸素の研究を始めたのは1994年でした。当時は, 筑波大学の他研究室にて低気圧酸素の研究が活発に行われており, 特に持久選手に対する高地トレーニングの研究は世界的に注目されていました。ある日, 偶然スコットランドで制作された高気圧酸素のタンクが筑波大学に紹介され, ケガの治癒に何らかの関係があるのではないかということで整形外科医の宮永豊教授と私が携わることになりました。高気圧酸素といえば学生時代, 主に救急医療やダイビングの減圧症に使われていることを習った記憶がある程度で, 当初はこの機械をどのように研究に使ったらいいのかわからず, まずはいろいろな資料を集めてみることになりました。参考文献や学会資料を集めてみると, 日本の整形外科分野でもすでに研究が行われており, 大分県の川嶌整形外科病院の川嶌眞人先生が主に感染症に対して, 琉球大学の井上治先生が骨折治癒促進や抗腫瘍効果に対して臨床応用も含め報告されていました。
過去の海外研究や文献を総合してみると, スポーツ選手に対して使用した場合, 次のような効果が期待できることがわかってきました。
しかし, スポーツ分野の基礎研究は皆無といっていいほど行われておらず, 果たして本当に効果はあるのか, また実験を行うにあたりどこから着手すればよいのかわからないのが当時の状況でした。
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