「重症下肢虚血の感染と虚血を如何に制御して救肢するか?」


北播磨総合医療センター形成外科・重症虚血趾センター
藤井 美樹

 この度は第47回日本創傷治癒学会学術集会において研究奨励賞という名誉ある賞を頂き大変光栄に存じます。学術集会会長の鈴木茂彦先生、選考委員会の先生方、ご指導頂いた神戸大学形成外科教授、寺師浩人先生に深く感謝致します。

 糖尿病性足潰瘍、重症下肢虚血に対する様々な研究が行われていますが、未だ解明されていない事が多くあります。その中で我々は骨髄炎に注目し、MRIが骨髄炎の局在を同定するのに有用であるが、虚血肢では血行再建後のMRIで評価すべき事を報告しました。本研究は2015年の国際ガイドラインで日本人として唯一、拙著論文が掲載されました(IWDGF Guidance 2015)。次にMRI診断に基づく足趾切断方法を提唱し、今回の発表では骨髄炎を合併した重症下肢虚血を救肢するために必要な感染と虚血の具体的制御方法を示しました。

 同様の問題をかかえるアジア諸国の中で,日本が主導的立場で糖尿病性足病変の治療を発展させる上でも重要な研究であると愚考しております。今回の研究奨励賞を励みとし、本研究をさらに発展させ下肢救済に貢献していく所存です。

 

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