Hydrocellular foam dressing は leptin シグナルを介して創傷治癒を促進する


東京農業大学応用生物科学部 生体環境解析学研究室
山根 拓実

 この度は第47回日本創傷治癒学会において、研究奨励賞を頂き、大変光栄に存じます。選考委員ならびに関係の先生方に心より御礼申し上げます。また、現所属の東京農業大学・生体環境解析学研究室の先生方や創傷研究の基礎を御指導賜りました真田弘美教授をはじめとする東京大学の先生方には感謝申し上げます。Hydrocellular foam dressing (HCF)は多量の滲出液を保持し、治癒を促進するため、臨床現場では広く使用されておりますが、その分子メカニズムは不明でした。我々は、元々摂食をコントロールするホルモンとして同定されたレプチンがHCFによる治癒促進効果の一端を担っていることを分子レベルで解明しました。HCFは滲出液中のレプチン濃度を増加させ、皮膚線維芽細胞の増殖を促進することや創部でのレプチン受容体の発現を増加させることを明らかにしました。今後も分子生物学的手法を駆使し、基礎研究と臨床研究の架け橋となれるような研究を発展させていきたいと考えており、先生方には一層のご指導・ご鞭撻をいただきますようお願い申し上げます。

 

閉じる