第54回日本創傷治癒学会研究奨励賞を受賞して
慶應義塾大学医学部
種田 桐子
この度は研究奨励賞という栄誉ある賞をいただき、大変光栄に存じます。慶應義塾大学医学部形成外科学教室の貴志和生教授、荒牧典子先生をはじめとする研究関係者の皆様に心より感謝申し上げます。
受賞研究のテーマは「肌理形成における表皮角化細胞分裂とKeratin17の関係」です。当教室では、創傷後の皮膚完全再生メカニズムの解明を目指し、マウス胎仔を用いた創傷治癒過程を研究しています。マウスでは胎生13日(E13)までの創傷が完全再生する一方、E14以降では真皮の線維化、皮膚付属器の欠如、肌理の欠如などが生じ、傷跡が残ることが知られています。また、肌理は皮膚の伸縮性を保ち、外部からのダメージを防ぎ、水分量を維持するバリア機能を担うと考えられますが、その形成メカニズムは不明です。機能的な皮膚完全再生には肌理形成の理解が不可欠であると考え、現在研究を進めています。
医学部3年次より研究を始めた際にこの研究テーマを与えてくださり、ご指導くださった先生方にこの場をお借りして心より感謝申し上げます。来年度、医学部6年生となるにあたり、未熟ながらも創傷治癒領域へ貢献できるよう研究および学業に励んで参ります。この度は誠にありがとうございました。