研究奨励賞を受賞して

鳥取大学 産科婦人科学分野
小松 宏彰

 このたび、当研究チームの「産婦人科医が実践する肥厚性瘢痕・ケロイド予防の多施設共同研究」が日本創傷治癒学会 研究奨励賞を受賞しました。この研究は、OGOG project の一環として、帝王切開術後の創部管理における科学的エビデンスを構築し、より良い治療法の確立を目指したものです。2021 年に発足したOGOG project は、形成外科の創傷管理技術を産婦人科領域に応用し、適切な閉創方法と術後管理を実施することで、術後の肥厚性瘢痕やケロイドの発生率を低減することを目的としています。本研究の途中経過では、OGOG メソッドを用いた創部管理が、特に横切開において肥厚性瘢痕の発生率を大幅に低下させることを示唆する結果が得られました。本受賞を励みに、今後もさらなる研究の発展を目指してまいります。現在進行中の多施設共同研究を継続し、より多くの症例データを蓄積することで、OGOGメソッドの有効性をさらに検証していきます。また、この知見を広く共有し、産婦人科医が質の高い創傷管理を実践できるよう支援を続けてまいります。 OGOG project は、産婦人科医自身が創部管理を担うことで、帝王切開後の患者のQOL 向上に貢献することを目指しています。今後も研究を発展させ、全国の医療現場で実践できる標準的なケアの確立を目指して活動を続けてまいります。引き続き、皆様のご支援とご協力をお願い申し上げます。

 


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