第54回日本創傷治癒学会 研究奨励賞「免疫細胞を介した線維化退縮機構の解明」
三重大学形成外科
細見 謙登
この度は第54 回創傷治癒学会研究奨励賞をいただき、大変光栄に存じます。
三重大学形成外科では、完全な組織再生が可能なアカハライモリを対象とし、ヒトでの組織再生の実現をテーマに研究を行っています。我々は特に免疫・リンパに着目して、イモリの創傷治癒を解析しています。イモリでは線維化が起こらないとされてきましたが、この通説を疑い、強い炎症反応が起きるモデルでの創傷を観察したところ、線維化が誘導され、かつその線維化が徐々に消失するという現象を発見しました。さらに、特定の免疫細胞の枯渇化によってこの線維化退縮機構が大きく遅延することから、線維化制御の新たな視点が隠されているのではと考え、現在この現象の詳細な解析を行っています。
成島教授をはじめ、多くの先生のご協力のもと、楽しく研究をできております。この場を借りて、改めて深く感謝申し上げます。今回の受賞を励みに日々精進していければと考えております。そして、研究を聞いた人に面白いと思ってもらえるような魅力的な研究を行っていけたらと考えております。今後ともご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。